仲間がキツネに襲われたアネハヅルの群れの話。
どうして…というやり切れない気持ちのはけ口とばかりに
一羽のツルが責められます。
ツルの群れで起きていますが これは紛れも無く人間同士の間によくある話
…悲しいけど そう思いました。
責められたツルの心はズタズタに裂かれ
仲間が南の土地へ飛び立つ日が来ても
体が動かず飛び立つことも出来ませんでした。
心も体も傷ついた…いえ傷つけられた一羽のツルが 目を逸らすことなく描かれています。
また 心無い言葉がどんなに相手を傷つけてしまうのかが
ストレートに伝わる作品でもあります。
最後の場面では 群れから離れ舞い戻り
このツルに寄り添ってくれていた1羽のツルと一緒に
大空へ飛び立つことが出来ます。
飛び立ったツルが 力一杯羽を羽ばたかせ
翼で風を切って飛ぶシーンでは 「よく頑張ったね!」という気持ちになりました。
この絵本との出会いは
自分の周りでこんな事があったら どうしたら良いのか…
そんな時 自分に何が出来るのか…
考えるきっかけとなるのではないでしょうか。