宮沢賢治の作品の中では短いおはなしのひとつです。声に出して読んでも10分位で読み終わります。
丘の上のいちょうの木のお母さんの元から、いちょうの実の子どもたちが旅立ちへの不安やあこがれを語りながら離れて行くまでのおはなしです。いちょうの実の子どもたちは二人一組で登場するので、沢山の双子の兄弟姉妹の物語のようにも見えます。星が瞬いている夜明け前から朝日が昇るまでの数時間の話なのに、いちょうの実の子どもたちはまるで人生を語っているようにも見えます。
このおはなしには、生や死に対するいろいろな見方があるようですが、
子どもたちに語る時は、子どもが親の元から巣立って行く「希望のおはなし」として紹介した方が納得してくれます。