いちょうの実が、旅立つ様子を綴った、不思議な視点の作品です。
いちょうの実に「旅立つ日」が実際にあるのかどうかはわかりませんが、
そういえば、ある時期がくれば一斉に落ちている、いちょうの実。
もしかしたらこの作品のように、いろんなやりとりがあっての旅立ち
だったのかと思ったら、なんだかいちょうの実を見る目が変わりそうです。
それにしても、いちょうの実がとてもかわいらしく描かれています。
旅立ちという初めての経験を前に、期待や不安でどきどきしている
様子がとても伝わってきて、その時がくるまでをドキドキしながら
読むことが出来ました。
一番最後のページ、おまけのように描かれた絵に、思わず、
「ここにあったんだ〜!!」と声に出してしまいました。
何が描かれていたかは、読んでからのお楽しみ。
いちょうの実、北風、お日様、あらゆるものが擬人化されていて、
不思議な視点の作品でした。