絵本はひとりの絵本作家が絵も文もつくって生まれることもあれば、
文と絵を別々の人が担って出来ることもある。
後者の場合、文と絵、どちらが先にあるのだろう。
それとよく似ているのが、楽曲の詩と曲の関係だろうか。
詩が先にあって曲がそれに合わせることも、またその逆で曲が先にできることもあると聞いたことがある。
絵本はどうだろう。
やっぱり文が先のような気がするが。
では、この『もしもねこがそらをとべたら』はどうだろう。
絵を描いているのは、自由な作画で多くのファンをもつ黒田征太郎さん。
文を書いたのは、「池上線」を歌ったシンガーソングライターの西島三重子さん。
絵本を読むと、やはり黒田さんの自由な絵がまずあるような感じがするが、
やはりこれは二人が共同で作りあげた作品だろう。
「もしもねこが空を飛べたらどうだろう?」、
そんなことからどんどん想像の翼が広がっていく。
「空を飛べたら小鳥をつかまえようとするんじゃないかな」
「もしもねこが花になったらどうだろう?」「それ、おもしろいね」みたいな、
そんな会話が聞こえてきそうな絵本だ。
だから。最後にある「そうぞうは いつか きっと ぼくたちに ちからを くれる」という一文が、すっと心にはいってくる、
それにしても、1939年生まれの黒田さんの自由な絵はどうだろう。
人間、こうでなくちゃ。
生きるって、こうでなくちゃ。