べにばらホテル、名前がとてもロマンチックな感じがしました。
べにばらホテルを舞台にお話を書こうとしている新進の作家。
小さい頃から童話などを書いて新人賞もとったという私、主人公が作家だけに、この作品には安房さんの新人時代の気持ちが投影されているのだろうかと思って読んでしまいました。
最初の描写がとても真実味があり、このお話は童話なのだろうかと一瞬思ったのですが、空想上のべにばらホテルが実際にあり、主人公に設定した北村青年と私が会ったことで、知らない間に安房さんの世界になっているのを感じました。
きつねが北村に恋している姿がとても健気でかわいく思えました。
読み進むまで、私と北村の恋物語と思っていたのに、違う展開に進んでいったのが意外で安房さんらしいなと思いました。