この巻は、キャベツくんはおやすみ。
ブタヤマさんだけが登場します。
ちょうちょ取りに夢中になっているブタヤマさんの背後には、
様々な生きものたち!!!
それも、ただの生きものではなくて・・・。
長新太さんがつくる擬音が、とても楽しい。
いもむしが動く音は「モソ モソ モソ モソ」だし、
イカが出てくる音は「ヌル ヌル ヌル ヌル」なんです。
他の作品でも、
女の子が「ポコポコ」と歩いたり
おばけが「ヘチャラ モチャラ クチャラ ペチャラ」とおしゃべりしたり
こんな音は今までに聞いたことがないけれども、
ぴたりと当てはまっているところがすごいです。
そして、その後に続く
「ブタヤマさんたら ブタヤマさん
うしろをみてよ ブタヤマさん」
の問いかけは、読者の気持ちと繋がるようになっているのですね。
それに対して、最後の最後で
「なあに どうしたの なにか ごよう」
と振り返る(おそらく振り返ったであろう)
呑気なブタヤマさんが、とってもキュート!
このブタヤマさんの言葉だけではなく、
長さんの絵本によく出てくる言葉は、
「なあに」「かしら」「なのよ」と、
どれものどかで、心がほぐれます。
心の栄養に、いつまでも傍に置いておきたい絵本です。