ズバリ、「蚊」のおはなし。
でも、文章は「か」だけで表現されています。
「か」の付く生き物たちに蚊が近づいて、ページが変わると刺された後、という趣向。
蚊に刺された経験は誰にだってありますから、
その何ともいえない感覚が喚起されます。
(私はよく虫に刺されるだけに、ちょっと身震いしてしまいました。)
無表情な蚊と、刺された部分の描写が、実に絶妙です。
ところが後半、やや勝手が違ってきます。
いろいろ解釈できそうですね。
シンプルな文章だけに、読み方・感じ方はいろいろできそうで、
読み手と聞き手のコラボで成り立つ世界です。
奥が深いです。