一読しただけで親の私の方がまず気に入ってしまいました。
娘も楽しんで聴いています。
魔法の本を読んでいたまあちゃんは、おかあさんを何かの動物に変えようと思い、試してみます。目を閉じて(というのがミソ)…呪文となえて…。するとまぁ!見事におかあさんはたぬきになっているではありませんか。
もういちど呪文を唱えるとたぬきはちゃんとおかあさんに戻って、さぁここからが楽しいストーリーの始まりです。
いつものおかあさんからは考えられない、ありえないお母さんの行動!
楽しいったらありゃしない!!
お母さんが二人現れるところまで、その楽しい場面が続きます。
よーっくよく見ると、分かるか分からないくらいの描かれ方で、なぜそんな展開になったのかがちゃんと描き出されているのですが、そのさじ加減がまた絶妙です!
そしてラストシーン。
遠くで手を振るたぬきちゃん。「まあちゃん、楽しかったよー!」って言ってるようです。まあちゃんとおかあさんの、キツネに、いや、タヌキにつままれたような顔。
自分たち親子の毎日をふと、かえりみます。
「おかあさんおかあさん!あそぼうあそぼう」「おかたづけしなきゃ」「おせんたくものほさなきゃ」「ごはんつくらなきゃ」
子どもはみんな本当は、このタヌキお母さんと遊ぶみたいに、はちゃめちゃにお母さんと遊びたいんですね…。
子どものそんな要求を、絵本の中で疑似体験できるって、素敵です。
楽しい楽しい、楽しすぎる絵本ですが、でも、それだけではない、素晴らしい1冊です。