気になるウンゲラーの近作でしたが、期待が強すぎるからか自分にとっては前作の『あたらしいともだち』とともに消化不良の作品でした。
自由気ままなあおい雲は、他の雲たちの言うこともきかず好き勝手。
さわったものを青くしてしまうとてつもない影響力を持ちながら、世界のことを知りたいと思ってどんどん大きくなっていきます。
崇拝の対象になったり、戦争を終わらせる力をもったり、一見素晴らしくも思えるのですが、良く考えると世界を青くするなんて怖いことではないかと思います。
お話の中で、争い合ったいろいろな民族が一様に青くそまって幸せそうにしているから、子どもは納得かもしれないけれど、ウンゲラーさん発想が少し危険ですぞ。
ウンゲラーの作品には皮肉がたっぷりで過激な作品が多いので、妙に良い人になって欲しくないのですが、違和感が残りました。