あなたには絶対許せないことってある? どろぼうを許せる? 人殺しを許せる? じゃあ、かくれんぼしてるのに自分だけ見つけに来ないでお弁当食べてる友だちを許せる? こどもたちが毎日遊んでる「あそび島」(保育園じゃないんだよね〜そこがステキ)の男の子ガクは、それをやったシュンタロウを許せなかったんだよ。だってしゅんたろうはあそびを自分勝手に変えちゃうし、いっつも一番でないと気が済まない。だから「ぜっこう」を言い渡した。
毎日毎日庭のすみっこからオレの事いくら見てたって許すもんか!そういうガクはちょっとドキドキしている感じ。せんせいやってるアイコが間に入ってきたら、悪いのはシュンタロウのはずなのに、もっとドキドキしてきた。悪いのはシュンタロウなんだ!ガクは自分に言い聞かせるみたいな顔になってくる。
こどもの頃友だちを許す時って、自分が損をしてるみたいな感じがしたよね。言葉にならない感情が体の中を駆けめぐったよね。柴田さんのテキストと伊藤さんの絵は、その言葉にならない気持ちをストレートに私達にぶつけてくる。大きくならないと分からないと思うのは大人の感じ方だと思う。小さい時の方が、このモヤモヤした気持ちを実感を持って受け止められるんじゃないかな。真剣なやりとりしてるガク・シュンタロウ・アイコの周りにいる他の子たちのたたずまいが良い。あそび島みたいにもぐれついて育ち合ってる保育園で働く私には、こどもの本当のケンカを描いてもらったという気がします。
本の好きな子なら3才から楽しめました。