ぼくが見つけたへんてこな生き物。
「キルルキルル」って泣くから名前はキルル。
ずっと昔におじいちゃんからもらったわらで編んだ古い筆箱がお気に入りで、その中で眠ります。
緑色の小さな体に、赤い二つの目玉、あくびをしたら小さな火を吹きました――もしかして、竜?
でも竜なら、珠(たま)を持っているはず。
ぼくがおじいちゃんに聞いてみると…?
小さな竜キルルがとにかくかわいい!
お母さんの宝石箱にもぐりこんで真珠のネックレスの上で眠っている場面が、特に印象に残りました。
竜にとっての珠は特別なもの。
その珠を使って人助けをしたキルルに胸を打たれました。
別れは寂しいけれど、『ぼく』とはまた会える時が来るような気がしました。
でもその時キルルは、今よりずっと立派な竜になっているのでしょうか。