シンシア・ライラント/文、ダイアン・グッド/絵の2007年のアメリカの作品。
二人は多くの合作を発表していますが、最初の合作である「When I Was Young in the Mountains Diane Goode」で1983年にコールデコット賞オナー賞を受賞しています。
物語は、主人公のぼくの
「ずっと 子どもで いるのは、もう あきあき。
へんしんできたら いいな」
という心の叫びで始まります。
そんなぼくに、遠くの国のあばちゃんが贈ってくれたプレゼントが、ワニの変身セット。
ぼくは、立派なワニに変身し、ワニになりきります。
面白いのは、ワニになりきったぼくに対して、周りの人がみんなその行為を肯定して対応していること。
ワニの恰好をして学校に行くなんて有り得ないこと。
でも、その個性を尊重するという姿勢は、極端だからこそ、読み手の心に響くものがあると思います。
エンディングの
「わにに なった 子どもの ころの すてきな お話」
という一文に、実話のような響きがあって、素敵な終わり方だと思いました。
少しでも、主人公のぼくの気持ちを感じてくれれば良い、そんな絵本です。