1本のりんごの木が、1人の人間に限りない愛を捧げるお話。白黒のシンプルな挿絵に、短い文言が数行。本にも「3才から老人までの絵本」と書いてありますが、まさにその通り。読む人で、受け取り方が何通りとある一冊です。
りんごの木に見守られ、成長していったちびっこ。月日は流れ、ちびっこは大人になる。その子がお金が欲しいと言えば、りんごを売るように言った。家が欲しいと言った時は、枝を切り家を建てることを提案した。幹を切り倒して舟を作ると行ってしまっても、木はそれで嬉しかった。「だけど、それは本当かな」。自分の持っているもの、全てを与える。限りない、ただただ相手に尽くす愛。与え続ける愛の形について、考えさせられました。