やわらかで、あたたかくて、パン屋さんの香りまでただよってきそうな絵です。地下室の台所の棚には、美味しそうなジャムのつぼがたくさん。おおきななべや、おさじもずらり。子供に「パン屋さんってこうなんだろうなあ」とイメージできそうです。
ぱんやでマフィンおばさんを手伝うアノダッテが、夜中にこっそりパンを作ったことで、パンがむくむくふくれて、ふくれて、大変なことになるのです。アノダッテは普段うちの子供がやりたいけれどできないことをみんなやってくれます。なるべくたくさん作って、いろんな味を入れて、かざりもつけてしまいます。たのしいなあ。けれども、ふくれすぎたパンのゆくえは・・・。
パンの色もすばらしくいいです。煙突から出ている煙もパンの色。ラストの絵でまちじゅうの人に家からはみ出たパンをちぎって配っている光景はほのぼのとして気持ちが和らぎます。本を閉じたら、きっとパンが食べたくなるでしょう。