表紙の美しい色合いの絵に魅了されて手に取りました。家族が力を合わせ、夢にまでみた理想の椅子を手に入れるまでのおはなしなのですが、女性の強さと明るさが存分に感じられます。
ウェイトレスとして働くお母さん、家事を引き受けるおばあちゃん、そして子どものローザ。火事ですべてを失った3人は、近所の人や親戚からたくさんの日用品をもらい何とか生活していますが、毎日仕事から疲れて帰ってくるお母さんのためのゆっくり座れる椅子がありません。3人は大きな大きなガラス瓶に小銭をためてソファを買うことを計画します。
一緒に読んだ5歳の娘は、火事というショッキングな出来事を身近に感じたようで、とてもビックリしていました。何もかも灰になってしまった場面では、とても心配そうに見入っています。とても現実的な物語なので、感情移入しやすかった様子。近所の人がたくさんの日用品を運ぶ姿を見て、とてもうれしそうにしていました。
少しずつ少しずつガラス瓶がコインでいっぱいになる様は、お金を稼ぐことの大変さ、お金の大切さ、それを使うことの楽しさなどを教えてくれます。お金を題材に扱う絵本というのはなかなか少ないので、そういう意味でも貴重な絵本だなと思いました。
続編の「ほんとにほんとにほしいもの」「うたいましょうおどりましょう」も、ぜひ読んでみたいと思います。