自分の誕生日に丸印がついたカレンダーを見て、あやちゃんが、
台所のお母さんに声を掛けます。
『ねえ、ママ、もうじき あやちゃんの たんじょうびだよ』
『あ、ほんとうだ。あやちゃんも 6さいに なるわね』
自分の生まれた時のことを、『ちっちゃかった?』『かわいかった?』
と真剣に尋ねるあやちゃんに、お母さんは、家事の手を休め(たぶん)、
あやちゃんが生まれた時のことを話し始めます…。
子どもたちの5歳の誕生日祝いに、幼稚園からいただいた本です。
最初は膝に乗せて読んでやりました。今でも時折思い出したように、
本棚から引っ張り出しては一人で読んでいます。
私(母)から聞く、自分(子ども)が生まれた時の話ときっと重ね合わせながら
読んでいるのだと思います。
子どもにとって、“自分が生まれた時”のお話というのは、どこか神秘的で、
それでいて自分の居場所を確認するような、安心感があるのだと思います。
あなたの誕生をみんなが待っていた。あなたの誕生をみんなで喜んだ。
あなたは家族の宝物、ということを、この絵本とともに、これからも
伝えていきたいと思っています。