優しい絵で描かれた心にじーんと何かを残してくれる本です。いたずら盛りのきつねのごん。ある日病床にいた母親のために兵十がとったうなぎを奪ってしまいます。十日ほどたってごんは、兵十の母親の葬式に出会います。「兵十のおっ母は、床についていて、うなぎが食べたいといったにちがいない。・・・・ところがわしがいたずらをして、うなぎをとって来てしまった。だから、兵十はおっ母にうなぎを食べさせることができなかった。・・・・ちょッ、あんないたずらをしなけりゃよかった。」せめてものつぐないにと、ごんはせっせと栗や松茸を兵十のうちへ届け続けます。があるとき、狐が家の中へ入っていくのをみた兵十は、届け主が狐であるとも知らずに、鉄砲で撃ってしまいました。・・・・子供でなくとも、何かをじーんと胸に残すような本です。