表紙の絵を見て、「ちょうちん2つも持って、すいかの皮のお洋服着ているよ、このきつねさん!」と、早くも興味津々の様子の娘。降矢さんの絵は、本当にダイナミックで、どんな登場人物も個性たっぷりに描かれていますよね。このお話のキツネとオオカミも、とってもチャーミング。子どもたちもみんな、こんなキツネとオオカミなら、友達になりたい!と思うことでしょう。でも、本当の友達って・・・?
オオカミが「おだいだって!」と、目を尖らせるページで、「なんでこんなお顔になっちゃったの?」と娘が聞くので、「Jも、(お友達の)オードリーと遊ぶときに、お金なんて払わないでしょ?」と言うと、「うん、お店に行くときに、お金持ってく」との答え。「ともだちや」と「ともだち」の違い、わかったかなあ?
そして、オオカミがキツネに宝物のミニカーをくれると、 娘は、まるで本当に自分自身が、思いがけない贈り物をもらってびっくりしたように、「え〜っ!」と感嘆の声をあげて、心の底から喜んでいました。もしかしたら、甥っ子(娘の従兄)のことを思い出していたのかもしれません。毎年、日本に里帰りするたびに、宝物のミニカーの中から1つだけ選んで、娘にプレゼントしてくれる甥。娘もそのミニカーをとても大事にしています。男の子にとって、ミニカーがどんなに大切な宝物か、娘もよく知っているんだろうな、と思います。この場面は、本当に何度読んでも、自然と笑みがこぼれますね。
キツネとオオカミがトランプ遊びをするシーンも、ほんとにおもしろそうで、「あっ、これ、ババだ!・・・今度は、オオカミが勝ったんだね。・・・」と、娘もトランプに参加しながら楽しんでいるようです。
他には、キツネがオオカミに呼ばれて、「へえ」と返事をするところ・・・「“ええ”でもなくて“はい”でもなくて、“へえ”? 変なの!」と、毎回笑っています。
もう1つ、この絵本には特別な思い出があります。それは・・・娘の通うスクールで、自分のことをみんなの前で発表する時間に、「私の好きなもの」として、クラスの子達に紹介し、日本語で読んであげるという経験ができたことです。私も、ちょうどこの日はボランティアで、先生の補助をしていたので、この“小さな国際交流”にじーんときました。娘にも、心の通い合うともだちをつくってほしいな、と願っています。