とてもいい物件を見つけて引越しした はらだ家。ところが、やって来た引越しトラックからして何やら妖しげな感じです。おまけにあるべき場所にお家がない!
実はやって来たのは、おばけの町なのに、はらだ一家は「なんだかちょっとへんてこな町だなぁ」くらいにしか思っていません。そののんきさがなんとも可笑しく、楽しいのです。
出てくるのも、姿は妖しいモノばかりですが、内面は良さそうなので、読んでいる方も「楽しそうな町にやって来て良かったね」なんてつい思ってしまいます。
絵がとても明るくて、つちだのぶこさんや宮島千夏さん(『パンやのクルトンさん』)に似ています。そして、随所に、舌を出した花やメドゥーサのへびや目がいっぱいついた花(書き出してみると怖い!)などの妖しげなモノがちょこちょこと描かれていて、それを見つけるのもとても楽しいです。
ちょうど「バムとケロ」シリーズの遊びに似ています。
次男は、この妖しげなモノを見つけるのが楽しくて、ページをめくるのに時間がかかりました。
ちょっと不気味で怖いですが、全体に流れる雰囲気が明るいので、楽しく読めると思います。
ただ、私だったらこの町に引越しするのは躊躇しますけれどね。