かこさとしさんの名作『からすのパンやさん』が最初に発表されたのが1973年。
それから40年後の2013年にその続編を4冊同時に出版されたから出版界の一大ニュースになりました。
どうして、4冊かというと、「からすのパンやさん」には4羽の子どもがいたからで、それぞれが食べ物屋さんのエピソードの主人公になっているからです。
ちなみに4羽の子どもの名前はチョコちゃん、リンゴちゃん、レモンちゃん、オモチちゃんで、それぞれ名前のように茶色だったり赤だったり黄色だったり白色だったりします。
白いからすというのも変ですが。
この「そばやさん」編は、白いオモチちゃんが主人公です。
わかものになったオモチくんがいずみがもりのはずれで白い花の咲く畑を見つけたところから物語が始まります。
そこはハッサクおじさんツユおばさん、それにイソちゃんがそばの実を育てている畑でした。
オモチくんはおじさんたちにそばの打ち方を教わって、そばやさんを始めます。
もりそば、かけそば、てんぷらそば。
最初の『からすのパンやさん』のようにたくさんの食べ物が並びますが、まだまだ少ない。
だったら、うどんにラーメン、さらにはズパゲティと一大麺王国が出来上がります。
そうなれば、どんどん品数も増えて、「パンやさん」以上になっていきます。
このあたりはかこさんの真骨頂。
子どもたちの歓声が聞こえてきそう。「そのラーメン知ってる」「そのうどん食べたい」、なかには「そばはコシが決め手」なんていう子どももいたりする。
こういう賑やかさがかこ絵本の楽しみなのだ。