『いばらひめ』というと、ホフマンの絵本を思い浮かべる人が多いと思いますが、このエロール・ル・カインの『いばらひめ』も幻想的で、とても素敵な世界観が描かれていました。
邦訳も矢川澄子さんで読みやすかったです。
一つもったいないなと思ったのは、本のサイズが小さめだったこと。
せかっくエロール・ル・カインの細かい描写の色彩豊かな絵が、本のサイズが小さいことでなんだかこじんまりしてしまっていて残念でした。
エロール・ル・カインの『いばらひめ』は姫が起きてハッピーエンドを迎えるシーンよりも、眠っている姫に王子が出会ったシーンの方がインパクトがありました。
私が勝手に想像していただけなのですが、実際この王子が通った時榛原は脇によけてくれましたが、たくさんの王子や騎士たちがいばらの草で命を落としたと聞いていた割にこの王子の服が軽装なのに、ちょっと違和感を覚えました。
エロール・ル・カインにしては、その辺のこだわりはなかったのでしょうか?