エロール・ル・カインの絵本は、最近「アルフィとくらやみ」を読んだんですが、こちらの絵本はまた全く違った印象の昔話のような絵本でした。
後書きには、その作者の想いとか、生い立ちとかが見えてくるので、私はこの部分を読むのが結構好きなのですが…。
作者は1941年誕生、1989年没。と短い生涯だったようです。せっかく素晴らしい才能をお持ちだったのに、新作に出会えない事実に気づいてしまいました。う〜、残念。
「キャベツ姫」いいです。ネーミングも、ストーリー展開も、とってもテンポがよくって、ちょっぴりスパイスが効いた感じがまた素敵でした。
表紙の絵にもなっているキャベツになってしまった姫と、トマトやニンジンなどになってしまった姫の周りの侍女たちの姿を描いたページは、やはり他のどのページよりインパクトがありました。
最後に登場する森の王の息子が、ちょっと…。私の好みからいくと、うぬぼれ屋の王子とどの辺が違うの?というくらいナルシストっぽい絵柄だったのが気になりましたが、そのほかはいうことありません!
うちではまだ子ども達にお話ししていませんが、少々長い物語なので、聞いている時間を考えると、年齢の低い子にはきついと思います。
高学年向けの読み語りなどにどうでしょうか?