ベトナムは南北に細長い国で、亜熱帯の北部と熱帯の南部では人々の暮らしも食事もずいぶん違うという。
この絵本は、南部のメコン川沿いの村で、果樹園を営む両親と共にくらす11歳の双子の兄弟の日常。川で洗濯したり、遊んだり、魚を捕まえて食べたり。昼の暑い時は風通しのいいハンモックで休んで、無理をしない。なんだかのんびりした暮らしのようだ。
しかし、6人家族は朝5時にみんな起きる。小学生の兄弟は6時には出発し、早朝に学校につく。授業開始までの時間を、友達と遊びまわるのがとても楽しみだという。朝食は学校の前にある屋台で済ます‥たくましく、明るく元気な子どもたち。家でも親の手伝いを進んでやるので、もう包丁をつかったり、料理の下ごしらえ、畑仕事などもできるという。
クーラーもスマホもない、塾もいかない、アナログな生活で、決して裕福ではないのに、すごく幸せそう。学校の前後、たっぷり遊ぶ時間があって、家族や地域の人と良い関係を作って幸せ全開の兄弟。
本当の豊かさや、希望がある暮らし。
ベトナム料理や珈琲を飲むたびに思い出して、ほっこりできそうな写真絵本です。
大人のベトナム好きの人にもぜひ勧めたい一冊です。