かしわの木の上に住むオッケとピレリルは、葉っぱのひこうき遊びをしていたところ、風で遠くへ飛ばされてしまいました。落ちたところはなんと、トロルのヒゲを洗濯していた小人のせんたくや。
一方心配するお母さんに頼まれて、リスのセバンスさんが森に捜しに出かけますが──。
ベスコフの上品な絵がなんとも良質なメルヘン。オッケとピレリル以外にもマロニエやらはしばみやら、木の精と思しき小人達がたくさん出てきてます。お母さんのエプロンなんか、ちゃんとかしわの葉っぱなのですよ。娘も気付いて感心していました。
北欧の森には本当にこんな世界があるのかもしれない。キラキラ秋の木漏れ日がきらめく異国の森、昔ずいぶん憧れた妖精譚を彷彿とさせられます。子供の時分って、こういう小さき者の世界って憧れませんでしたか。
とりあえずトロルのひげが取り外し式で、時々クリーニングに出して、何枚もスペアがあるなんて笑っちゃいました。
この手の絵本には興味ないはずの娘が、夜読んだまま枕元に置いてあったものをゆっくりと見返していました。メルヘンへの扉が開かれたことを、妖精好きの母は祈るばかり。