とにかく、酒井駒子の絵の美しさがたまらない。
ピンク色のビロードの耳に、緑色の目をしたうさぎ。
華奢な少年。
そして、妖精。
まるで、この絵の世界から生まれたお話であるかの如く、まったく違和感がない。
それどころか、完全に一体化している。
お話のメインテーマを考えてみたけれど、「ほんものになるには、ということ」というには、行動できないおもちゃのぬいぐるみが主人公だと、他力本願、待っていれば奇跡が起こる的な感もあり、ちと違うのかしら?と思いました。
これはもしかして、「信じるこころは奇跡を呼ぶ」ってことかな?
英国人作家のお話だし、宗教的な文化も精神面に反映されてるだろうし、クリスマスの本ということも加味すると・・・。
なんて、深読みしようとしてもいけませんよね。
教訓めいた意味が隠されているとしても、それに気づかずに眺めているだけで楽しいのです。
我が家の1歳8ヶ月の息子、もちろんお話の内容は理解できませんが、長い読み聞かせの間、最後までじいっと絵を見ていました。
ポップな原色を使ったのや、デフォルメされた登場人物の絵本もいいけれど、こういう美しい色彩の絵本は、できるだけたくさん本棚に並べてあげたいと思います。