表紙の男の子の、民俗人形みたいなシュールな顔つきが、
可愛くはないのだけれど(ごめんなさい)気になって、思わず手にとりました。
読んでみたら、いい子でした、アントン・ベリー。
いつも困ったような憂い顔だけど、困った状況でも、いつも「しょうがないよ」と大らかで。
アントン・ベリーのうちでは、りゅうを飼い始めました。
(ペットショップで普通に売っているんです)
人の10倍食べるりゅうのお陰で食料は底をつき、
アントン・ベリーとりゅうは沢山の食べ物を求め、旅にでたのですが・・・。
食べて食べて食べまくる、生命力あふれるりゅうに
子どもの無尽蔵なパワーを感じ、
優しい母親のように、りゅうを責めることなく、前向きに旅を続けるアントン・ベリーに和みます。
後半登場する巨大な魚は、すごいインパクト。
ギザギザの歯とぎょろりとした目が、りゅうよりもずっと怪獣みたい。
戦いに敗れ、りゅうに運ばれながら涙する魚に、クスリ。
そうきたか!というオチで、めでたし、めでたしなんだけど
まだ波乱を予感させるラストにもクスリ。
外国の昔話のような
不思議な絵と不思議な冒険物語が独特な味わいで、くせになりそう。
明るいはっきりした絵で、遠目も聞き、読み聞かせにもよさそうです。
小学校2年生の教科書に紹介されていましたが
年少さん〜小学校中学年くらいのお子さんにおすすめです。