絵本ナビさんでこの絵本の存在を知ってから、
ずっと気になっていた本でした。
でも私には上手に読んであげられる自信がない(絶対泣く)のがわかっていたので、
今までなんとなく避けていた絵本でした。
しかし図書館で発見してしまい…。
やはり素通りすることはできませんでした。
5歳と10歳の娘たちと読みました。
予想通り、さっちゃんが幼稚園を飛び出したあたりから平常心ではいられずに、
どんどん胸がつまって涙が出てきましたが、頑張って読みました。
娘たちは、さっちゃんの右手に指がないなんて思ってもいなかったので、
途中から「え?」という顔をして、
ないとはっきりわかった時点で黙りました。
そして私が読むのをじっと聞いててくれました。
さっちゃんの寂しさや悲しみ、
そしてお友達の放った子供の正直さゆえの残酷な一言。
すべてが心に刺さりました。
子供たちにはどのように伝わったでしょうか。
子供たち、とりわけ次女は指のないお友達がいる、なんて考えたこともなかったようで、
絵本についていた『たくさんのさっちゃん』というしおりをじっと見ていました。
そしてこの絵本を、何度も何度もリクエストしてきました。
私たちの周りに四肢障害のお友達はいないので、
娘たちはそれなりに衝撃を受けたようですが、
きちんと受け止めてくれたように思います。
この本が、ただただ泣いてしまうだけの絵本ではなく、
さっちゃんが力強く、たくましく生きていく姿が描かれていて
娘たちも最後のページでは表情がほっとしていました。
こんな風に、さっちゃんみたいに娘たちにもたくましく生きて欲しい。
そしてあらゆる人を自然に受け入れられる
優しい人間に育ってほしいと強く思いました。
伝わって欲しいことが山ほど詰まっている一冊です。
親があれこれ解説するのではなく、
子供たち自身にいろいろ感じ取ってもらいたいと思います。
さっちゃんと手をつないだお父さんが、
歩きながらさっちゃんに語り掛けた言葉が頭から離れません。
なんて力強い言葉でしょうか。
見えない力が湧いてくるような言葉です。
こちらまで勇気をもらえる言葉です。
今回、思い切ってこの本を図書館から借りてきたことは間違っていませんでした。
うまくは読めませんが、読んであげて良かったって、心から思います。
あらゆる年代のお子さん、そして大人にも読んでもらいたい一冊です。
私みたいに、うまく読む自信がないから…と躊躇されている方がいたら心配ご無用です。
うまく読めなくても、絵本自身が力を持っているのでノープロブレム!(^^)
是非是非手に取って、お子さんと読んでみてください。