マーガレット・ワイズブラウンとレナード・ワイスガードナーという黄金コンビによる作品です。
二人の作品では、「たいせつなこと」が記憶に鮮明に残っています。
物語は、
「あかい ひかり
みどりの ひかり
おはよう」
という書き出しで始まります。
そこには、アメリカのTV等で見かける上に赤、下に緑のあるタイプの信号機
が描かれています。
そして、車、人、動物などがその住処から出かけるのですが、そこにはいつも信号機が存在しています。
そして、夜。
出かけていた、車、人、動物などが、戻ってきます。
そんな、ありきたりの1日を、信号機を起点に描いた作品なのですが、そんな毎日を過ごせることこそ、幸せなのだと思わされました。
抒情詩のようなマーガレット・ワイズ・ブラウンの文章は、とてもリズミカルで、心地良ささえ感じます。
勿論、谷川俊太郎さんの訳なればこそなのでしょう。
そして、レナード・ワイスガードの絵が、また、素晴らしい。
赤と緑を象徴的に使用した淡い色合いの色調なのですが、それが、見る者の心に染みとおるような絵に仕上がっています。
単なる絵本を超えた作品との印象が強く、荘厳とさえ言えるような絵本です。
好き嫌いが分かれる作品かも知れませんが、こうした良質な絵本は、是非1度は読み聞かせることをオススメします。