「おれたち ともだち!」シリーズの第一弾。
シリーズは沢山出ているのですが、最初から読もうと思っていて、やっと巡りあえました。
絵を描く降矢ななさんの作品では、「きょだいな きょだいな」が印象に強く残っています。
「ともだちや」って何?って思ったのですが、ともだち屋ということなのですね。
この発想のポイントが高いです。
最初に登場するのはミミズク。
夜が明けるシーンなのですが、遠くに見えるチョーチンがキツネが来るのを予告しています。
「えー、ともだちやです。
ともだちはいりませんか。
さびしいひとは いませんか。
ともだち いちじかん ひゃくえん。
どもだち にじかん にひゃくえん」
と言ってきつねは森を徘徊します。
それからの動物達の出会いのエピソードが愉快。
気の良いキツネという話が目白押し。
そして何と言っても、オオカミとのやり取りが秀逸です。
これが、このシリーズの要であるキツネとオオカミとの出会いなのですが、中々良く出来た展開だと思います。
そう、ともだちってお金を出すものではないのです。
それに気づいたキツネの喜んだ背中は、何とも嬉しそうです。
最終頁には、またミミズクがいるのですが、そのエンディングも最初の頁から良く考えられた構成となっているのが分かります。
ともだちって何?っていうことを考えさせられる絵本です。
丁度、集団の中でともだちを意識し始める幼稚園の頃に、読み聞かせしてあげたい一冊です。
完成度の高い日本の作品だと思います。