5歳の子には長い物語なので、2日間にわたって読みました。
風の子フーがくまのストーブ店で買ったやさしいみかん色の光を放つあたたかなストーブ。お料理上手な、小さな可愛いひめねずみとの幸せな時間。
だけど、やっぱりフーは風の子で、ひめねずみはひめねずみ。
ひめねずみは、旅立とうとするフーを止めても無駄だということがわかっていました。
一人ぽっちになってしまったと思ったひめねずみですが、実はひとりぽっちではなかった。ひめねずみにはひめねずみの暮らしがあったのでした。フーが風の子の性を生きるように。
ひめねずみをおいて旅立ったフーが悪いわけではない、それは仕方のないこと。だけど、フーにとっては哀しい結末が待っていました。
哀しい…切ない物語ですが、娘はしっかり最後まで聴きました。
この物語をすべて理解はできないでしょうが、いつかきっと、もう少し成長した時、彼女は自らこの絵本を手に取るのだと思います。
母自身の感想としては、全く違った時間、全く違った人生を送るはずの存在でも、ふとしたことで、出会い、ほんの一瞬でも幸せを感じることができる、その ほんの一瞬を ぎゅーっと抱きしめて 後悔なく生きたいものだと思いました。
この絵本の前に、「花豆の煮えるまで」を読んだのですが、どちらも、子どもが大人になっていくために手放していく(いかねばならない)ものの甘さ、重さ、大きさを思い、自分が失ってしまったもの、これから成長していく我が子のことも思われ、せつなくて、泣きたい気持ちになりました。