針供養・人形供養など普段使っていたものや大事にしていたものを大切にして魂があるものとて扱うのは日本だけというのを聞いたことがあります。
普段使っているものって私たちどのぐらい最後まで大切に使っているでしょう。
えんぴつがとても身近で小さなお友だちと感じられるであろう一年生に読んでみました。
子どもたちの意外な反応の一つは「パパのおひげ」でした。ゆみちゃんが書いた絵の「うさぎ」には「やっぱりそうだよね」って。
ゆみちゃんがえんぴつさんをお皿に置いたところで、「なんでおさらに?」「(芯が)なくなっちゃうからじゃないの」とそれぞれがゆみちゃんの気持ちになって。
読み終わると「あの(ゆみちゃんが描いた)ケーキおいしそうだった」という声も。
一人ひとりがゆみちゃんの気持ちになり、また絵を細部まで見て感じていたようでした。
ああ、一つだけ。私はこの絵本を開いた時、ゆみちゃんのおかあさんがあまりにも作者のかたおかさんにそっくりであったことに驚きました。
おかあさんの物腰や優しさ、ゆみちゃんの気持ちを暖かく包んでくれるおかあさんも素敵です。
物を大切にしましょうという直接的なメッセージでなく、えんびつは大切なお友だちという優しい世界が子どもたちにも暖かく伝わっていくお話ではないでしょうか。