戦時中に本当にあったお話だそうです。
いわたくんのおばあちゃん、ちづこさんがまだ高校生だった頃、広島に原爆が投下されました。
家族の中で生き残ったのは、ちづこさんただひとり。
それまで幸せに暮らしていた毎日が、一回の原爆で根こそぎ奪われてしまった――その悲しみは、戦争を知らない私達には想像しがたいものがあります。
でも今この瞬間に、なんの前触れもなく平和に生きている日常を失うことになったら…?
笑顔あふれる大好きな家族を一瞬で失ってしまったら…?
そう考えると恐ろしくて、他人事とは思えませんでした。
いわたくんのおばあちゃんが家族と一緒に写真を撮らないわけを知って心が痛みましたが、またそれと同時に、今の生活が幸せであることがわかって少しだけ安心しました。
子供二人に読み聞かせたのですが、今年の春に修学旅行で広島を訪れ原爆の話を詳しく聞いてきた12歳の息子は、あらためてその内容を思い出すことができたようです。
戦争はこわい。醜い。むごい。恐ろしい。
その内容から、私達親が子供達に詳細に伝えるには少しためらいもあるかもしれません。
でもだからこそ、絶対に伝えていかなければならないことだと思います。
原爆について描かれた絵本はたくさんありますが、内容がリアルに描かれているため小さいお子さんには恐怖を与えてしまうものもあるでしょう。
でもこの絵本にはそういった凄惨な場面はなく、優しさのこもった絵で読んでいても安心感がありました。
「原爆」に対しての知識を深めるきっかけになる絵本だと思います。