仲間がいれば、仲間よりも小さかったり劣っている思うと
仲間はずれが生まれる…悲しいけれど、現実的にあるお話ですね。
仲間の中で、リーダー的な『わし』が言った一言を
鵜呑みにしてしまった『ちび』。
それによって、命を失ってしまったのかと心配する『わし』。
この場面で、心配な面持ちでカラス達が円になって、『ちび』を
覗きこんでいます。
こんなにたくさんのカラスがいたのに、誰も『ちび』の仲間に
なろうとする者はいなかったのかと思うと、残念でなりません。
『ちび』が最後の所で、「おいでよ、あそぼう!」と言った
ところで、ちびの心の広さと強さに励まされました。
『わし』の心の動きが、谷川俊太郎さんによって、鮮明に描かれて
いて、心が揺さぶられます。
この絵本を読んで、8歳の娘は『ちびが可哀想、どうして小さい子を
いじめるんだろう。』と言って悲しんでいました。
3歳の息子は、最初の方はお話を聞いていましたが、途中から
おもちゃで遊び始めてしまいました。
個人的に、ちびわたりがらすが月を見上げている絵が素晴らしく
ずっと見ていても飽きませんでした。
娘が幼稚園のころ、いつも仲良し3人組で遊んでいましたが、
たびたび2対1になって、仲間はずれになったり、仲間はずれに
してしまったり…そんなことを思い出しました。
年中さんくらいから大人まで読んでいただきたい絵本です。