最初にあらすじを読んだ時に、何となくお話が以前読んだいもとようこさんの「えんそく」に似ているな、と感じました。
そしたら同じ、くすのきしげのりさんのお話だったと分かりました。
くすのきしげのりさんの絵本はどれも大好きで、すべての作品の根底に「友だちの大切さ」や「優しさ」「思いやり」、そしてそこに子どもたちの生き生きとしたありのままの様子が描かれているように感じます。
お友だちがキツネくんの家にお土産を届けにきてくれた場面では、やっぱりジーンときました。
優しい心や思いやり、その基本はまず「相手の立場に立つ」ということだと思います。
「もし自分がキツネくんだったらどうだろう?」「どんな気持ちで家にいるんだろう?」「どうしてくれたら嬉しいだろう?」・・・友だちみんながキツネくんのことを思ってあげているその優しい気持ちに、読んでいる私もジーンとさせられるのです。
自己中心的な人が多かったり、学校でもいじめが問題になったりと、厳しい現実社会ですが、幼い素直な心にまず読んで聞かせたい絵本だと思いました。