ある国で、お妃さまが亡くなられ、残った姫三人に形見分けが。
長女は、かかとの高い靴を、次女は真珠のちりばめられた銀の手鏡を。
そして、三女は木でできた宝箱を。
王様は、まもなく気弱になり世継ぎを決めたいので、次の王にふさわしいものを見せるよう、姫たちに告げます。
姉たちは、王としての権勢を世の人々に知らしめる為、月や星にとどくようなりっぱな塔造り。
三女のセレニティ姫は?、と考えているタイミングで、
もしかしたら、みなさんはセレニティが一番賢くて綺麗と思ってでいるでしょう。おとぎばなしでは、そういうことがおおいですもんね。
と、絵本の語り手に先を越され、『こんなの初めて〜』と笑ってしまいました。
亡き母の木箱を開け、りんごの種を植えることに…。
食卓にのぼったデザートフルーツの種まで、どんどん植えていきます。
タイミング良く、出てくる出てくる宝の木箱から。
雨のしずく、虹のかけら、星の鳥の羽。
みんな、詩のような表現の宝が、セレニティを助けます。
お城の前の風景が、明るい緑色になった様子は、王でなくともため息が出ます。
シェークスピアの『リア王』のようにならず良かった良かった。
読後、「この王様、りっぱな王様じゃん。」と横浜育ちでもないのに、“じゃん言葉”の息子でした。
小学校低学年頃から楽しめると思います。
1.2年生にはお家の方が、ゆっくり読んであげるのも良いと思います。