私がこの本を読んだのは,小学6年の息子の国語の問題集で「昆虫の目のモザイク説」に関する内容を目にしたことからです。それによれば,「人間は目だけで物を見るならば,上下さかさまに見える,しかし目ではなく脳で見ているため,正立した状態に見えること,昆虫も同じならば,モザイクではなく,きちんとまとまったものとして見ているのではないか」という内容でした。
この本では,昆虫(ミツバチ)がどのように見えているかは,今も正確には分からないとありました。しかし,花は魅力的な特徴を持っているので,虫は自分たちが暮らす地域にある花を見分けることができることが分かりました。また,実際にモザイクに見える世界を目にしてみて,人間としては困るけれど,ミツバチにとっては,必要な情報を得られているのかもしれないと思いました。ミツバチにとっては,花が幾何学的に見えた方が便利なのかな,とも感じました。しかし,技術が進歩して,「本当にミツバチがどのように見えているのかが分かるといいね」と,子どもたちと話しました。
小学3年の娘が興味を持ったのは,動物の見え方でした。猫の目は悪いけれど,薄暗い夜には人間よりもよく見えること,牛や馬は広い視野があるけれど,真ん中がよく見えないことなどが分かり,面白かったようです。また,牛は動くものを怖がるので,走り寄るなどして驚かせないようにすること等,牛への接し方が分かって,勉強になりました。
たくさんの動物が登場して,そのひとつひとつに対して丁寧な説明があったので,子どもと楽しく読むことができました。