昭和29年12月10日第1刷発行という作品です。
読み終えて、人間社会は相も変わらず諍いの多い世界だなぁ〜。
何にも変わっていないな〜。
60余年経っているのに、人知は何に使われているのかと、ため息が出てしまいます。
ライオンのアロイス・ゾウのオスカー・キリンのレオポルトらが、戦争・革命・ストライキ・飢饉など人間社会で起こっていることで、常に犠牲となる子どもたちをおもい、立ち上がるのです。
国際会議を何度開いても、まとまることのない人間の会議に失望し、動物たちは、最初で最後の会議を開くことに、・・・・・・。
この会議に集まってくる世界中の動物たちの移動に興奮します。
絵本の中の動物たちまで、会議へと出るため絵本から消えてしまうくだりは、クスリと笑いました。
ただただ、世界中のこどもたちを愛する動物たちの熱弁に、こういうふううに事が運べば、なんと素晴らしい事だろうと思いました。
どんな大人も自分たちの愛する子どものための行いではあるはずが、その子どもたちの命をも脅かすような解決方法を選ぶことこそが愚かなのだと認識し、より良い解決方法を見出していきたいものです。
この作品の初版時代に生まれた子どもたちも、もはや還暦を迎えています。
今年生まれた子どもたちが還暦を迎えるころには、世界の諍いで泣く子がいないことを願います。
文章が、少々長めなので、小学校中学年頃から、お薦めです。