かつて図書館で、「これ借りますか?人喰い鬼のお話ですってよ?」と息子に表紙絵を見せると、「ぼくは、いいです。もっと大きい人が読んだほうがいい本です」と拒否られた作品です。
今回図書館から借りてきて「覚えてる?」って、聞いたら記憶がないそうで、「今夜読む?」って聞いたら「もっと大きくなってから読みます」と笑っていました。
さて、お話の出だしは本当に恐ろしい。
読んでもらっているお子さんがお布団の中にもぐってしまいそうです。
人喰い鬼の出没で、町に子どもが見当たらないなんて物騒ですよね。
そんな町のうわさも聞こえぬのどかな谷間の森の開拓地に住むゼラルダ。
人喰い鬼に出会ってもたじろぎもせず、怪我の手当てをしてあげる優しさに、逞しく育っているんだな〜って思いました。
市場に売りに行くはずの食材を使って料理を始めたところで、並々ならぬ寛大さに感激します。
とにかく「お料理をするのが好き」ってことが身を守ることになるなんて。
おいしい料理で人喰い鬼がいなくなるなんて、素敵ないお話です。
ゼラルダが人喰い鬼のお城で作った代表的な夜食のメニューに見入ってしまいました。
私も“七面鳥の丸焼きシンデレラ風”に大笑いです。
ウンゲラーさんならではの遊び心でしょうかね。
エンディングの強引さ(笑)もなんか理解できます。