谷川俊太郎さんの創作物語ですが、昔話のような雰囲気があるのは、梶山敏夫さんの挿し絵の影響も大きいかもしれません。
村の人たちは、「ほうすけ」はどこから来たのか、誰も知らない。いつからいるのか、だれも知らない。それがこの物語の主人公「ほうすけ」でした。
この冒頭を読んだだけでも、先に気になってしまいます。
おまけに、詩人の谷川さんだからこそでしょうか。
言葉の響きがとてもリズミカルできれいなので、声に出して読むと、よりこの物語を感じることが出来る印象を受けました。
お墓のシーンで始まって、お墓のシーンで終わる、とても珍しい作品だなと思いました。
「ほうすけのひよこ」がなにを意味するのか、谷川さんが読者になにを届けたかったのか、
この切ない終わり方にどのような意図があったのか、とても考えさせられてしまいました。
でも、心に残ります。ぜひ読み聞かせなどで子どもたちにも伝えていきたいです。
小学校高学年から、中学生・高校生のお子さんたちにいかがでしょうか?