1961年初版の作品のようです。
一通り読み終わり、なんともいえない温かい気持ちになりました。
小さな男の子の日常の中のちょっとした出来事なのですが、静かにゆっくりお話が進み、読みながら小さな読者さんも世の中のルールをさりげなく教えてもらえる作品だと思います。
子犬が迷って来て、主人公のスティーヴィーは戸惑いながらも一生懸命に世話をしようとします。
両親は、可愛い闖入者に冷静に対処し、スティーヴィーの気持ちを見守りつつこの問題の解決を手伝ってくれます。
ブライアンさんの作品は、どれも周囲の大人の大人らしい温かい子どもへの視線が感じられ、いつも感心します。
迷い犬を友だちに見せつつ飼い主を捜すページで 、ちっちゃなボビーの存在がなかなか良いなと思いました。
近年の作品は、けたたましいほどの元気よさを前面に押し出した作品や、大笑いを誘う愉快さで完結する作品が目立ちますが、この作品のような落ち着いた文体に久々に出会うと得も言われぬ安心感を覚えます。
時節柄、衝撃的な映像そして大人たちの狼狽やかまびすしい様子に、子どもたちなりに大なり小なり精神的にショックを受けている事と思います。
お休み前の最後の一冊に選び、お子さんと読んでみてはいかがでしょうか。