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あかいハスの花の色に惹かれて、ページを繰りました。 本の中で、色が踊っていました。時代の暮らしの貧しさを、私は推し測ることはできないのですが、絵本の中の彩りは、十分に幸せな趣でした。 貧しいが和やかに暮らす湖渡しのローと、ハスの花の精「リアン」との、心と心のおはなし。公平、傲慢や魔法など、俗な下敷きも施されてはいますが、色から滲む印象が勝っているように思えた作品でした。慈愛の赤と権力の紅い門、不思議の紫に強欲の黄、無言の墨色にそして、白米の白。なんでしょう、この想像豊かなチェン画伯の画風は。 しあわせって、こういうことを感じ考えられることなでしょうね。人のことすらわからないのに、花の精の心はごめんなさい、もっとわからないです。 チェン画伯に感謝。
投稿日:2021/12/07
湖で暮らすローおじさんが、不思議な老婆に親切にしてもらったお礼に貰った種から、ハスの花の精リアンが生まれました。リアンがハスで触れるだけで、魔法でローおじさんの暮らしを助けてくれました。でも、その噂を王の欲張りな娘が聞きつけてリアンを一人占めにしようとします。ローおじさんは、リアンの居場所を教えないものだから、城の牢屋に入れられてしまいました。それで、ローおじさんを助けに城に行き王の要求通り部屋中のものをみな金に変えてしまったのですが王の娘は、それだけでは足らず、リアンのハスを取り上げようとハスに触れてしまったものだから、王の娘は、冷たい金の像にかわってしまいました。不思議な老婆の「心が曲がった欲張りなものは、必ず最後に報いをうける」に、納得しました。花の精リアンは、普通の女の子としてローおじさんと暮らせるようになってリアンが喜んでいるので、よかったなあと思いました。
投稿日:2019/03/30
チェン・ジャンホンさんの作品はお話も絵も素晴らしいです 登場する 漁師のローおじさんの優しさ おばあさんがくれた種はハスの花の種で、 この蓮の花から生まれたリアンという女の子は、魔法使いのよう ハスで触ると 貧乏だったローおじさんの舟が立派な赤い漆塗りの舟になります 立派になっても ローおじさんはみんなに魚を分けて上げ決して欲張りません これに対して 王様の娘は すごく欲張り 対照的な描き方です 王様もわがまま娘の言うことを聞いて ローおじさんを牢屋に入れ 赤い舟も燃やしてしまうのです 悲しんだのは リアン ローおじさんから 不思議なおばあさんのことを聞いていたのです リアンは一人おばあさんの住む高い山に行きどうしたらいいか聞くのです なかなか 賢い子です そして おばあさんは 「心がまがった欲張りものは、必ず最後に報いを受ける」 ローおじさんを助けに行きなさい 勇気あるリアンはお城へ行きローおじさんを助けるため 魔法のハスで触れると すべて 金に代わるのです おばあさんの言葉が思い出されます そして リアンは普通の女の子になれたのです ローおじさんと幸せに暮らせるのです 人の生き方を問われる お話です 作者は お話を通して教えてくれています
投稿日:2017/08/22
こちらも読んでみましたが、こちらも大変素晴らしい絵本です。普通の女の子になれて嬉しがっているリアンの可愛さったらもう!特にご飯をよそう姿なんて!読み終わった頃には、皆リアンの事を大好きになっていると思います!
投稿日:2014/10/21
チェン・ジャンホンさんの作品と言うことで飛びつきました。 蓮の花は、見ていてとても有り難く清らかな気持ちになります。 仏教では泥水の中から生じ清浄な美しい花を咲かせる姿が、仏の智慧や慈悲の象徴とされていますし、「蓮は泥より出でて泥に染まらず」という日本の言葉からも、清らかさや聖性の象徴として称えられることが多い花です。 そんな清らかな心を持った蓮の花の精リアンが主人公。 リアンの誕生は、魚がさっぱり獲れなくなった猟師ローおじさんの親切から始まり、親切のお返しに貰った蓮の花の種を湖に植え、リアンが生まれます。 リアンとローおじさんの幸せそうな様子にどっぷり浸っていたら、登場したのが欲望の権化ともいえる権力者。 リアンにより豊かになっても分け与える事を忘れず、最後までリアンを守り抜いたぬローおじさんの心の清らかさが、改めて対照的に浮かび上がってきます。 リアンの持つ魔法の蓮に手を掛け、人間として越えてはならない欲望の境を越えてしまった王の娘タンの姿は、私たちに大きな教訓を伝えてくれます。 欲望の虜になってしまう人間の愚かしさ浅はかさを目の当たりにして、反省させられます。 更なる幸福がリアンとローおじさんに訪れるエンディングに、ほっとしながらもう一度ゆっくり読み直しました。 蓮の花の神々しさが本当に伝わってくる素晴らしい絵でした。 この作品も絵本という範疇を越えた芸術作品だと思います。 大人の方も十分楽しめると思います。
投稿日:2011/10/07
水墨画の手法を使った、中国人画家による作品。 独特の筆致に、ハスの花という題材がエキゾチックです。 誠実な漁師、ローおじさんは、見知らぬおばあさんの頼みを聞いてあげた代わりに、 不思議な種をもらいます。 その種を植えるとハスの花が咲き、その中に女の子リアンがいたのです。 リアンの繰り広げる不思議な出来事は、東洋的魔法ですね。 ところが、王さまやその娘タンのねたみを買うこととなり・・・。 タンの欲深さの悲劇は教訓的です。 印象的なのは、リアンが「普通の女の子」であることを 心から喜んでいること。 誠実に生きることの大切さが伝わってきました。 ハスの花を見たら、この話を思い出しそうです。
投稿日:2011/07/04
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