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どうぶつのわかっていること・わかっていないこと(小学館集英社プロダクション)

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マッチ箱日記」 大人が読んだ みんなの声

マッチ箱日記 文:ポール・フライシュマン
絵:バグラム・イバトゥリーン
訳:島式子・島玲子
出版社:BL出版 BL出版の特集ページがあります!
税込価格:\1,760
発行日:2013年08月01日
ISBN:9784776406051
評価スコア 4.87
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  • 宝石のような時間

     どうして子どもって小さなものを宝もののようにして集めたがるのだろう。
     小さくなった匂いつきの消しゴム。きらきらひかるスーパーボール。遊園地の半券。鉄腕アトムのシール。ちびた青い色鉛筆。小指の爪ほどの貝殻。そのほか。そのほか。
     机の引き出しの奥深くにそっとしまって、でもいつの間にかなくなってしまう、宝もの。
     もしかしたら、それは思い出だからかもしれない。
     誰にも渡したくない、けれどいつか誰かにそっと話したいような。

     イタリアで生まれた少年は貧しい生活をおくっている。時には食事さえとれないことがあって、そんな時にはオリーブの種をなめることもあった。
     小さくなったオリーブの種。それが少年の最初の「思い出」。
     父親がアメリカに出稼ぎに行った時、少年はまだ赤ん坊だった。少年が知っている父親の顔は一枚の写真。
     それが少年の二番めの「思い出」。
     そして、少年たち一家は父親を追ってアメリカに移住することになる。
     ナポリの町で見つけたのは、マッチ箱。
     字も書けない少年は、その中に「思い出」のものを入れることにした。少年の、いわば日記。
     ナポリでは初めて見た瓶入りの飲み物の王冠をいれた。

     アメリカに着くまでの苦難。アメリカでの迫害。
     けれど、少年はめげることはなかった。
     マッチ箱の日記にはさまざまな思い出が詰め込まれていく。
     魚の骨。新聞の切れ端。折れた歯。初めて見た野球のチケット。
     やがて、少年は字を覚え、印刷工になっていく。
     マッチ箱の日記はもう終わったけれど、別の方法で日々を綴っていく。
     それは、本屋になること。「読んだらその時のことを思い出せる」から。

     今ではすっかりおじいさんになった少年がひ孫の少女に語りかける人生。
     たくさんのマッチ箱は、一つひとつは小さいけれど、少年の「思い出」がうんとつまっている。
     生きていくことは、そのことを誰かに伝えていくこと。それは未来の自分でもあり、自分から続く人々だ。
     「日記」とは、そのためのものともいえる。
     精密な筆と温かな色調のこの絵本もまた、「日記」のようにして誰かに読まれつづけるだろう。

    投稿日:2013/12/29

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  • 素敵な絵本です。

    読み書きさえもできなかった少年時代のひいおじいちゃんは、マッチ箱に想いや思い出を込めていました・・・マッチ箱日記。
    イタリア移民として生きた日々。
    そういう時代そういう方達がいたのだなぁとしみじみとした気持ちになります。
    思い出って宝物ですよね。
    マッチ箱日記、大変なこともたくさんあったひいおじいちゃんの生きた証のように思いました。
    それをひ孫に語る二人の関係もすごく素敵ですね。

    投稿日:2020/11/10

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  • ひいじいちゃんの日記

    「マッチ箱日記」となったのは、ひいじいちゃんは、読むことも書くことも出来なかったので、マッチ箱に、その日の思い出を入れることにしたアイデアが素晴らしいなあと思いました。ひ孫に語って聞かせるひいじちゃんは、とても幸せそうに話しているなあと思いました。

    投稿日:2019/01/14

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  • イタリアからアメリカへ移民した家族の物語
    イタリアで生まれてひいじいちゃん 彼の人生を孫の女の子に語るのです
    マッチ箱の日記 その中に入っているものは?
    思い出の品が入っていました
    貧しくて、食べるものがないときに母親はオリーブの種をなめておきなさいとくれたものだったのです
    そんな思い出が マッチ箱の中に大切に入っていたのです
    貧しくて学校にも行けない時代ですから 文字も読み書きができなかったのです
    また お父さんは自分が赤ん坊の時に 単身アメリカに働きに行ったのです
    写真が一枚は言っていました
    学校の先生の息子さんに手紙を書いてもらっていたのです
    そして おばあさんを置いてお父さんに会いにアメリカに渡るのです舟の旅ですから19日間もかかりました
    ニューヨークに到着したとき自由の女神が見えました   でも その舟の旅は怖いものでした  ボタンフックを目の中に入れられるというのです怖いことです  怖くて泣き続けたので目が真っ赤になり 入国禁止にされそうになるのです  恐ろしかったことでしょう 
    今の時代では考えられない怖いことがいっぱいあったのですね

    お父さんと出会ったときの喜びはなにものにも代えられないものだったでしょう
    そして みんなでいろんな仕事をして生活していくのです
    この時代、生きると言うこと それは 生きるか死ぬかの厳しいものだったのですね
    お母さんが学校に行かせてくれたのですね そのおかげで印刷工になれたのです  やはり学問の大事さを改めて感じます

    マッチ箱の中に込められた大切な思い出! それはマッチ箱の日記でもあったのです
    おじいさんの生き方から 孫に伝えられた大切なことに 感動しました!

    投稿日:2016/08/12

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  • 伝えること

    字の書けなかった少年の頃に残した日記は、マッチ箱に思い出の品を入れておくこと。
    それをひ孫に見せながら、その頃の苛酷な思い出を話し聞かせます。
    マッチ箱を開けながら、つぎはどんなお話が入っているのか楽しみになってきます。
    辛い話もこんな演出があったら耳を傾けられます。
    まねをしてみたいと思わせてくれますね。
    自分の話を聞いてもらいたいときに、工夫が必要だと感じました。
    このおじいさんはそんな計算などないでしょうが・・・

    温かい絵がこの物語にぴったりです。
    おじいさんの部屋に置いてあるものを興味深く見れました。
    もしかしたら、博物館なのでしょうか。

    女の子が飛行機のなかで箱に入れているものはなんでしょうか。
    おじいちゃんにもらったものもあるのかな。。。

    投稿日:2014/12/20

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  • まず、差別されていたのが黒人の方だけではないという事に

    • 梅木水晶さん
    • 30代
    • ママ
    • 山形県
    • 女の子3歳、男の子0歳

    驚きました。文字が書けなくても日記はつけられる。厳密に言えば、その時の思い出となるものを保管しておく。最後の頁で、お孫さんがお菓子の空き箱に自分が今大事にしているのであろう小物をしまっているのが印象的でした。

    投稿日:2014/12/02

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  • なんて素晴らしい!

    骨董屋さんをしているひいじちゃんを訪ねました。この部屋の中で一番好きなものを選んでと言われ、手にしたのは箱。ふたを開けると、マッチ箱がたくさん入っていました。そのひとつひとつがひいじいちゃんの日記だったのです。字を読んだり書く事ができなかったので、マッチ箱に入れておくことで、その当時の記憶が蘇る。
    イタリアでの貧しい生活、移民として家族でアメリカに渡り、当時の船旅の様子、父親との再会、アメリカでの仕事のこと…ひとつひとつの出来事を、詳しく話してくれるひいじいちゃんの話に、読みながらじんわりとその世界に入ってしまいました。
    紙質、使われている色もなかなか味があり、おとなも引き込まれていく世界です。部屋の中の様子も細かく描かれていて、ひいじいちゃんの今の生活も窺い知ることができます。話を聞き終わって、女の子のした行動にも、その気持ちがよく表れています。

    投稿日:2014/05/26

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  • すべての子どもに一冊の本とペンを・・・

    イタリアからの移民のひいおじいさんが、
    ひ孫に優しく語り継ぐ
    マッチ箱に詰まった思い出
    の物たちによる記憶の回想日記です。

    オリーブの種で飢えをしのぐという想像を絶する
    貧しい家族は、日照りの年に切符を送ってもらい
    ニューヨークのお父さんに会いに19日もかけて
    海を渡ります。
    19個のひまわりの種も印象的です。
    船着場で3日待ったり船上でも、いたるところに
    貧富の格差がみうけられます。
    時代背景がまるで映画を観ているように読み取れます。

    生きていくために転々と場所を変え働くという
    渡ってからの過酷な苦労話も小さな
    ひ孫でも、きっと伝わったことでしょう。

    お母さんが、父さんに学校に通わせたいと
    何日も何週間も少年が8歳のときに、
    ねばってくれたところがすばらしいのです。
    家族7人全員字を読むことも書く
    こともできなかったのですから・・・

    とても丁寧に時間をかけて
    描かれた絵も緻密で本当に素敵です。
    マカロニ・ヘヤピン・魚の骨・石炭・・・
    文字の日記より心に残るものが
    あります。

    小学生でも時間があればゆっくり時間をかけて
    読んであげたい作品です。

    投稿日:2013/11/23

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  • 『ウエズレーの国』の作者です。

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子18歳、女の子13歳

    作者のポール・フライシュマンは絵本好きの人なら一度はきっと読んだことのある『ウエズレーの国』の作者です。
    イラストを担当されたバグラム・イバトゥーリンは「おとうさんの庭」や「からす笛を吹いた日」など、リアルなのに繊細な絵柄で情景豊かにその物語の世界を描いてくれる画家さんです。
    ですから、今回の作品は本当に素晴しいコラボで仕上がった作品ではないとかと思います。

    日本でこういったコレクターというのがどのくらいいらっしゃるかわかりませんが、やはりアメリカには多いのかな?
    個人的にあまりコレクター気質は持っておらず、いらないものはどんどん捨てる主義なので、正直コレクターたちの気持ちは今いち理解できませんが、
    長年集めてきた『マッチ箱』と、それを集めた頃の一人のおじいさんの思い出の数々を、じっくり見せてもらいました。

    1ページに書かれている文字数は多い方で、ぺージ数もやや多めなので、読み聞かせに使うのは他に読む本との兼ね合いなどもありますが、遠目のきく素晴しい絵なので、小学校高学年などにはぜひ紹介したい1冊です。
    「アメリカへの開拓移民」というのも、この作品で大きなテーマとなっているので、そういうことを紹介するブックトークの時間が持てれば、合わせて紹介したいなぁと思いました。

    投稿日:2013/11/02

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