小さい頃、短いのが似合う、と決め付けられてショートにされていた私にとって、長い髪できれいに編んでもらったりしている女の子は憧れでした。どんな物語のお姫様だってロングヘアですから、きっと長い髪は女の子共通の「すきなもの」なんですよね。
絵本のなかには3人の女の子がいて、1人だけおかっぱ頭。2人に「あたしたちもっと伸ばすの、ねー」と自慢げにいわれますが、ちっともいじけもせずへこたれもしません。想像のなかでどんどんのびるまあちゃんの髪と、想像の世界にだけあざやかに色がつく装丁がすてきです。横長の絵本をたて2ページ、横2ページと大胆にのびやかに使った挿絵、とってもかわいい!
登場人物たちや絵のタッチも、昭和40年代〜50年代、と言ってもおかしくないような、もちろん今の子供たちと言われてもなんの違和感もないような、だれにも親しめる懐かしさを内包した絵本です。
のびのびとした絵とお話、娘もすごく楽しそうににこにこしながら聞いていました。