“ペットショップにはかわいい動物がいっぱい。
そんな陰で元気な時だけ可愛がり、病気になったり年をとると捨ててしまうケースがたくさん。
犬も猫も人間も生きるもの全て、老いて行く。
どうか最期まで可愛がってください。見守ってください”
このように作者のなりゆきわかこさんは仰っています。
この“ぼく”の家族は弱っていくチワオをいったんは疎ましく思うのだけど
きちんとチワオの命に正面から向かっていきます。
そういうところは動物を囲む家族ならいつでも感じうる思いです。
キレイゴトでない等身大の気持ちを描くことで
ただ可愛がることと慈しむことは違うのだということを
これでもかというくらいに訴えかけてくるのです。
ですから重い内容に感じるかもしれません。
でも“とてもたいせつなこと”に気づかせてくれる絵本です。
私事ですが・・・・・・
以前5年間一緒に生活していた“うさぎ”を
不注意から死なせてしまったことがあります。
ちょうど娘が生まれて5ヶ月目くらいのことです。
そのことを思い出してしまって涙が止まりませんでした。
長らく子どもに恵まれなかった私たち夫婦を癒してくれたのはこの子だったのに
可哀相な最期を迎えさせてしまったことが今でも悔やまれて仕方がないです。
娘に読んで聞かせてもチワオがどうして動けなくて悲しそうな顔をしているのか、最後にチワオがどうなってしまったのか ほとんどピンときてないみたいです。
でも何か感じてくれるのかもしれません、「チワオを読んで」と持ってきます。
今はそれでいいかなって思います。
子ども達に命の大切さ、死ぬとはどういうことかを
教えるだなんて大仰なことは考えず
まずチワオとぼくの家族の生活を覗いてみてください。