気づくかな? フウタくんのビクに?
そうなんです。ふうたくん一日目は腰にビク(釣った魚を入れるかご)を下げてます。でも、次の日は腰にビクがありません。
何故でしょうね。
このことに気づくと、絵本の中で風太くんが言っている
「しょうがないな」
の意味が違ってくるのです。
ビクに気づかなければ、
そんなにさかな欲しいなら、「しょうがないな」、さかなあげるよ、と読めますが
もしもあなたが「ビク」に気づいたとすると、何故次の日にビクを持ってこなかったのかの理由を考えたくなりますよね。
二日目にビクを持ってこなかったということは、ふうたくんは釣った魚を持って帰る気がなかったということになりますよね。
何故そんな気になったのかと言うと、一日目にイタチくんと魚でコミュニケーションが取れて嬉しかったからだと思うのです。
だから、もしも魚がつれたら、またさかなは誰かにあげちゃおうと考えたので、次の日はビクを持ってこなかったのではないでしょうか?
すると次の日には、なんとイタチくんがお礼に来てくれたではないですか。
この流れから考えると、先の「しょうがないな」は、友だちになろうと思ったのにイタチくんは帰っちゃうのか「しょうがないな」、さかなあげるよ、と読めるわけです。
また、「あげない」は相手の気を引く言葉だったということになりますよね。
つまり、一日目で、魚は釣って食べるものから、友だちになるきっかけ に変わったというわけです。 これはアドラー心理学でいう、人間の喜びの全ては人間関係、ということも通じていますよね。
実はこのシリーズこのトーンで統一されているのです。
いやー、深い本ですね。
復刊ドットコム さん良い本を復刊してくださり、本当にありがとうございます。