老いていくおじいちゃんクマを優しく見守る、孫のクマの視点から描かれた絵本です。
年をとって、一人でいるとさみしくなっちゃうおじいちゃんへの最良の処方箋は、このぼく。「ぼくのでばん」と、僕はおじいちゃんに駆け寄ります。なんて優しいのでしょうか!
人生の入り口にいる僕と、出口に近いおじいちゃんは良いコンビ。一緒に楽しく遊びます。老いていくクマと、幼いクマが共に生き、支えあっている様子が微笑ましく、頼もしいです。
老いていく淋しい人を一人にしてはいけないよ・・・。人は関係性の中で生きているのだから。関わることで笑顔になれるのだから・・・。そんなメッセージを感じました。
白地に茶、赤、黒の三色のみで描かた絵は、優しくシンプルです。すっきりとした印象の絵本ですが、赤い色が効いています。前の見返しと後ろの見返しの色が変化しているのにも注目したいですね。そして、ページごとに変わる僕とおじいちゃんの表情が、この絵本のキーポイントじゃないかなぁと思いました。