いもとさんの絵はいつでも可愛く温かみがあります、雪の降る場面でも。
ニコ〜っと大きな口で描かれたキャラクターたちを見ていると
自然とこちらまで微笑んでしまいます。
新聞の投書をもとに作られたという絵本。
だからでしょう、身近な場面でのやりとりは、想像がしやすく、
とても心に響く物語だと思いました。
寒い雪の日、みみたんはお姉ちゃんにてぶくろを貸してと言います。
片方のてぶくろを借りて、もう片方も、とみみたん。
おねえちゃんは黙って手をぎゅっとつなぐのです。
差し出された手の温かさに驚くみみたん、
迎えに来たおばあちゃんとも手をつなぎ、姉妹の真ん中にしてあげます。
さらに気づくのです、両端の人がてぶくろを片方すればいいのなら
たくさん人が増えても、手をつなげば、てぶくろはひとつでいいのだと。
「そうよ!」とみみたんを心強く肯定するおねえちゃん。
おねえちゃんは最後に世界中のみんなが手をつなげば、
てぶくろはいらないとも言います。
何気ない一コマから始まり、
世界が一つになることも願うラスト。
話の流れも絵も、とびきり優しいです、
スッと心に染みました。
てぶくろなんていらないよ、みんなで手をつなごう。
うちにも幼い姉妹がいます。
読みきかせたら、娘が、なぜ最後てぶくろがいらないのか聞くので
娘2人と私で手をつないで輪を作りました。
「ほら、てぶくろ、いらないよね?」
すると娘は「ママの手、あったか〜い!」と。
絵本を囲んで笑顔がありました。
きっとみなさんの心も温めてくれる素敵な優しい絵本だと思います。