表紙には、ひと癖ありそうな顔のきつねどんが、こちらを向いて立っています。そして、表紙をめくると今度は、とっても困ったような顔のきつねどん。でも、騙されてはいけません。彼はあぶりにくが食べたいだけ。ここから、悪だくみが始まるのです。
動物たちの表情が、ずるがしこさや人の好さ、戸惑っている感じ、疑っている感じなど、心の中をしっかりと語っているのが印象的な絵だと思いました。そして、泊めてくれる家々の子どもたちの愛らしいこと。
「悪いことをすると報いを受ける」という、とてもわかりやすい教訓のあるハンガリーの民話です。