バーバラ・クーニーさんの絵本が大好きで、こちらでこの本のことを知り、さっそく入手しました。
何百年ものあいだフランスで語り継がれてきた「聖母マリアの曲芸師」というお話を、バーバラ・クーニーさんが新たに絵を付けて新しい解釈のもとに書いた絵本ということです。
絵本の中には、中世の空気が流れています。
街並みも、お城も、修道院も、中世の石造りの建物です。
そして、お話の中を貫くのは、敬虔なキリスト教徒の教え。
以前フランスに住んでいたとき、このお話に出てくるような修道院をいくつも見ました。決してきらびやかではない、質素・堅実な雰囲気のがっしりした建物たち。
そのときに感じた気持ちを、この絵本をみて思い出しました。
バーナビーの神様への祈りはいっぷう変わっていました。
でも、形は違えど神様を心から信じ敬う気持ちは、他の修道士たちと一緒なんですよね。
信仰とは形ではなく、心なんだということですね。
宗教を持たない日本人にはなかなかぴんとこないお話かもしれません。
でも、いろんなことを感じ取ることができる絵本だと思います。
絵本という形ですけれど、これは大人向きですね。