3才で幼稚園に入園した息子は、親と離れる時に全く泣かない子でした。先生からも、園でも寂しがることなく、毎日楽しんでいると言われていました。
それが、ぴゅう議会の練習が始まった2学期中頃から、変わり始めました。「きょうはいかなくてもいい?」と、弱さを見せ始めたのです。
それでも、やっぱり泣いたりはしなかったのですが。
『おむかえ』の主人公、こたろうくんは泣きます。
とても泣きます。
保育園で、誰よりも「おかあさん」を思い出しては泣きます。
泣いて泣いて、少しづつ立ち上がっていきます。
保育園と幼稚園、立場は少し違う息子ですが、この泣き虫のこたろうくんの気もちがわかるようで、読み終わると「そうだよ」と言って私の顔を覗き込みます。
そしてにっこり微笑みます。
一緒に読むことで、泣いた気分になれたのでしょうか。
私も泣かない息子の涙を、やっと受け取れたようでほっとして、ぎゅーっと抱きしめたくなりました。